2016年5月3日火曜日

4月のシマ学校「みそづくり」

 4月30日(土)、シマ学校「みそづくり」が開講しました。シマ学校開講前に、島の人たちによる入念な準備が進んでいました。

みそづくりの名人、講師のひとりである山城美枝さんは、この日使うための「麦麹(カオズ)」お家で仕込んでいました。前日に麹の様子を見学させていただきました。
 山城美枝さんの麹室は、なんと箪笥!今年は長年愛用しているこの箪笥の3段目の底が抜けてしまうというハプニングもあったそうですが、みそづくりに必要な量の麹が用意できました。

良く立った麹は、うっすらと緑色をしています。
麹室になっている美枝さんの箪笥には、おいしい味噌を醸す菌が住み着いているのでしょう。
 みそづくりに欠かせない麦麹の原材料は麦です。
というわけで、今回のシマ学校では、みそづくりだけではなく、島で収穫した麦の脱穀作業も昔ながらのやりかたでやってみることになりました。
そこで、こちらも前日に、前泊勤さんのお家を訪問し、「ツグッラ(キクメイシ)」をお借りしました。
このツグッラ、脱穀作業の他、昔は家の柱を支える土台の石としても使われていたということです。
 ツグッラを使った脱穀のやりかたを教えてくれる勤さん。

まずは片手で一握りほどの麦を手に取り、麦の茎で結び束を作ります。

束にしたものの穂の部分ををツグッラの表面に擦りつけて、脱穀します。
 今回のシマ学校みそづくりで用意した大豆は15kg。前の日に水に漬けおいて、一度炊きました。

当日の朝も火を入れて、炊きます。
シマ学校が始まるまでに、指で押してつぶれるくらいの柔らかさに茹であがりました。

薪を使って茹でただけの大豆、とても甘味があっておいしいです。子どもたちも味見をして「うまい!」。
 10時、シマ学校「みそづくり」開講しました。
講師は山城美枝さんと仲原ソヘ子さんです。みそづくりの知恵を伝授してもらいます。
 茹で上がった大豆をムシロに広げて冷まします。茹で汁もとっておいて、冷ましておきます。 「水(茹で汁)は冷ますのに時間がかかるからね」とのこと。
 池間・平良の学童の子どもたちが、講師陣の指導のもと、麦麹と大豆を手で混ぜます。
みんなの手の常在菌も、おいしい味噌に欠かせない発酵を手助けするかもしれません!?
 ふっくらとした茹で大豆と麦麹が混ざります。

「豆は指でつぶしてみて、皮がむけてポンッと飛んで行かず、ちゃんとつぶれれば、ちょうどいいぐらいだよ」とおばぁたちが語ります。
 大豆と麦麹が混ざったら、いよいよお待ちかねの「つき」作業です。

3~4人で杵を持って交代でつきます。行列をつくって順番待ちです。
 シマ学校で経験をつんだ子どもたちの手つきは慣れたものです。頼もしさを感じます。
 マイクを持って、みそつき隊に「がんばれ」の掛け声をあげる応援隊。熱がこもっています。疲れても、腕がだるくなっても、豆がつぶれるその日まで、やめることはできないのです!

 中学生の青年たちも加勢してくれました。
力強く、早いです。ちょうど疲れてきていた子どもたちは、にーにーたちのはたらきに大助かり。
 老若男女、みんなで行うみそづくり、賑やかです。

みそづくりが一段落したら、休憩をはさんで、ツグッラを使った麦の脱穀に挑戦しました。

まずは子どもたち組。穂をツグッラに押さえつけてこすると、麦の実がぽろぽろと取れます。
さすが、おばぁ組は慣れた手つきで、早さもありつつ実も残さずにきれいに落とします。「こうやるんだよー」、上手なおばぁたちのマネをすると、上達もめきめきと早い子どもたちでした。

今回脱穀したのは、池間島で収穫した麦です。次回のみそづくりには、ぜひ池間島で育てた麦を使ってみたい、そんな思いもこもった脱穀作業でした。

みんなでついたみそは、カメ2つ分になりました。ゆっくり熟成して、おいしいみそになることを願っています。

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